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入学式。
うん。
気が付けば地元から離れた都会の隅の学校に入学。
何故離れたトコにいったのか。
結局、中学の同級生からしてみると、俺は「根暗」という印象しかなかったようなんだ。
それなら願ったり叶ったり。俺もそんな奴らと一緒の高校なんか行きたくもない。
うん、冷めてる。驚くほどに冷え切っている。
クラスは特進クラス。
中学では頭は悪かった。
300人中200番くらい。だから、中の下。
でも、入学試験は勉強していたんだ。少しでも自分を変えたかったんだと思う。どこまでいってもガキで終わりたくないのか、ただの意地なのか、わからないけど。
部活には入った。もちろんバレーボール部。
県でも有名で、春の高校バレーボール大会で決勝にいき、テレビ中継されるほどの強豪校。
クラスにいた男とそこで会う。特待生であり、根本からバレーボールが好きなようだ。
それからはよく一緒に遊びに行き、俺の家に泊まりにも来たし、泊まりにもいった。
ママさんバレーにも通っていたし、そいつのトスが上手いからガンガンスパイク打ってたらウチのお袋に練習にならないから、もう少し優しく打ちなさいって怒られたっけ。
でもさ、少し違うんだよ
ホントの"ツレ"ってのは関係が崩れないモノじゃないのか?
入部して半年、俺はバレーボール部を辞めた。
練習がキツイのは当たり前だ。県内トップクラスの学校だ。伝統のイジメがあるのも当たり前。
だが、それ以上に洒落にならないコトを、先輩方はやってくれたんだ。
内容はこうだ。
ウチの部活は全体練習が終わると、体育館に残っている先輩の個人練習に付き合う班と、部室に戻り、部員の荷物を出して先輩のパシリをする班がいるのだが、俺と同じクラスの仲のいい奴が、2年の先輩にトランプの「カブ」をやらされたらしい。もちろん金を賭けるとはいったんだが、誰もが冗談だと思うだろう。
イカサマ、因縁、100万程負けたらしいんだ。
後日、本当に金を持って行ったんだ先輩に。
それが父母会で発覚。
冷静に考えてみろ。
その先輩は退学になるハズなんだ。脅迫紛いのコトもしていた。なのに、停学だけ。
おまけに停学明けには逆恨みで殴る蹴るの暴行をはたらく始末。
バレー部のホープだかなんだか知らないが、そんな甘い処分なんかで俺や周りが納得なんてするハズないんだよ。
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