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最高のパートナー
私は朝の身支度をしながら千絵のことを思った。
(可哀想だけど、ルールを守らなかったからいけないのよ)
以前から主人と千絵が密会を重ねているのは知っていた。私は家庭さえ守ってくれたら多少のことは見てみぬふりをするつもりだった。
主人ほどの男だ、言い寄る女はいくらでもいる。それにいちいち目くじらたてていてはきりがない。
しかし最近はあからさますぎた…。千絵はわざと主人に残り香や口紅、たまにはキスマークまで残しアピールしてきたのだ。
これ以上エスカレートされては家庭に影響が出る。
そこで私はリキに千絵の匂いを覚えさせ、その匂いに襲いかかるよう躾けた。元職場の後輩だから私物を手に入れるのは簡単だった…。
「ちゃんと家庭を守ってくれたらリキも襲わなかったのに…」
私は口紅を塗り終えるとリキをなでた
「リキは本当に私の最高のパートナーだわ」
リキは何かを感じ急いで玄関へ走って行った。ちぎれんばかりにしっぽをふり、玄関ドアを引っ掛く。彼だ。
「リキったら私よりあの人が好きなんじゃないかしら。」
笑いながら玄関へ向かう。
私の大事なパートナーの元へ…
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