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「ティムはあんたに気があるんだよ」
センターのおばあちゃんは、そう言って車椅子の上で笑った。
「黒の彼はハンサムだからね。嫉妬してるんだよ」
「ノラおばあちゃん、変なこと言わないで」
ティムは世話好きなお兄さんだ。
だから介護センターでも楽しんで働いているし、それで私のこともよく構ってくれるだけ。
「だいたい嫉妬も何も、私とセイは付き合ってさえいないのに…」
昨日部屋に入れちゃったのは、私が寂しかったのと、セイが優しかったから。
それ以上の意味はないんだし…。
「でもあんたは、彼が好きなんでしょ?」
おばあちゃんはいたずらっぽく微笑む。
顔が真っ赤になるのが、自分でもわかった。
「す、好きっていうか、憧れっていうか…。私なんかじゃ、セイと釣り合わないし…」
口の中でもごもごと言い訳すると、廊下を歩いていた周りの人達にも笑われた。
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