Funeral
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「ほら、噂をすれば。王子様のご到着だよ」 おばあちゃんが指さしたのは、センターの入り口の方。 車椅子を押しながら廊下を歩いていた私は、思わず足を止めた。 廊下の曲がり角に立った、黒い人影。 全身を黒に染めた、背の高い男の人。 ――セイ…。 「行っておいで。ティムには言い訳しておくから」 おばあちゃんは、茶目っ気たっぷりにウィンクした。
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