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二人の視線がかち合ってから、どれだけ経ったんだろう。
ティムが、硬い表情で私達に近付いてきた。
「こんにちは、ミスター・セイ。あなたのことはよくユキナから聞いているよ。――ああ、俺はティム・エイバー。ユキナの先輩ってところかな」
愛想の欠片もなく、ティムは挨拶する。
「ちょっと、ティム…」
私は、咎めようとしたけれど。
「俺に何か用だろうか、ミスター・エイバー」
セイが遮るように言った。
「あなたは可愛い後輩がお世話になってる人に挨拶しないのか?」
ティムは嫌な顔をして言い返す。
「生憎、可愛い後輩とやらを持ったことがない」
セイの口調は、酷く淡々としていた。
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