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「ふうん。そうだろうな。あんたみたいな人間が、ちゃんとした人間関係をつくれる訳がない」
「ティム、何てこと言うの…!」
私が声をあげても、ティムは馬鹿にしたようにセイを見ているだけだった。
セイは不快そうに眉を寄せ、鋭い目でティムを睨み付ける。
「…お前、以前どこかで会ったか?」
セイの口から、そんな言葉がこぼれた。
「えっ?」と疑問を浮かべる私を尻目に、ティムは鼻で笑う。
「あんたの記憶力は薄情だな。それとも、注意力の方か?」
「後者だな。俺は、存在感のないつまらない小物に気付ける自信はない」
「何だと…?」
ティムが見たこともないような剣幕でセイに迫る。
セイはセイで、腕組みをして真っ向から睨み返していた。
「ちょっと、やめてよ二人共、こんな所で…」
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