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セイ様へ
あなたと出会って、あなたを知って、私は真実を知ることが怖くなりました。あなたの話はまるで現実味がなくて、そう、神話みたいに空想の世界としか考えられないような内容だったから。
もし、それが本当に事実なら、私は少し怖いです。
けれど真実があなたの言う通りであって、怖がることがあなたへの否定になってしまうなら…こんな手紙を書く資格は、私にはないでしょう。
あなたが嘘を吐いたとは思えない。でも、まだ頭の整理がつきません。はっきりと“信じてる”と言えるようになるには、もう少し時間が必要みたい。
私は多分、恐れています。あなたの話したことが現実であるという真実を。ひいては、あなたを。
だから、あなたがもし私に会いに来てくれるとしても、それはもう少し先にならざるを得ないでしょう。
ああ、セイ。会いたい。あなたに会いたい。
あなたは今どこにいるの?
今の私に、あなたに会う資格なんてないけれど…。
どうか、元気でいて。
そしてどうか、今ではないいつか、また私に会いに来て。
私はいつでも、思い出の場所で待ってるから…。
あなたの恋人 ユキナ
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