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ティムは舌打ちした。
取り残されていたおばあちゃんが、野次馬の目で私達を見ていることに気付いたようだった。
「ユキナ。ジェラルドじいちゃんが、散歩したいってさ。他に手が空いてる人いないから、頼んでもいいよな?」
忌々しそうに、そんなことを言う。
「ミスター・エイバー。俺はどうやら注意力に文句をつけられても仕方がないようだ。お前のような空気の読めない人間に気付かなかったとは」
すかさず、セイが割って入った。
「ミスター・セイ、悪いが俺達は忙しいんだ。空気を読むべきはどっちか、よく考えてくれないか?」
「ユキナは平気だと言った筈だが?」
「そうか。さっきまでは平気だったんだな。本当に申し訳ない」
「二人共!」
私が声をあげて、一旦言い合いが中断になった。
一旦、しかもほんの一瞬。
「ユキナ。少し口を挟まないでいてくれないか?」
すぐに、ティムにそんなことを言われてしまった。
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