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「駄目だよ。二人がここで悪口言い合うなら、私だって黙っていられない」
ティムは面倒そうに首を振った。
「こんな、変な手袋着けた奴となんか付き合うなよ」
その時、微かにセイが反応したのがわかった。
それよりもティムに反論することを考えていた私が、何か言うより先に。
「お前、何を知っている…?」
セイが、攻撃的な口調で、訊いた。
ティムは答えなかった。不機嫌な顔で、仁王立ち。
声をかけがたい睨み合い。
どうしようか戸惑っていると、セイが黒革の手袋をはずした。
「……!!」
ティムは目に見えて狼狽えた。
「ティム…?」
いきなり、私の手を掴んで引っ張る。
セイと私の間にティムが割り込む形になった。
「知っているようだな」
セイが、低い声で呟いた。
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