Fateful Encounter

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  「どうしました?」  先に声をかけたのは、私だった。  見学者かと思ったから。  彼のお祖父さんかお祖母さんが、センターに入るのかな、なんて思って。  私を見下ろした彼(かなり背が高かった)は、日本人のように真っ黒な目をしていた。  長い髪も真っ黒。一つに束ねて右肩から胸にたらしていたけど、毛先はお腹まで届いていた。  それから――とても、綺麗な顔をしていた。  多分、道を歩いていたら十人中十人が振り向かざるを得ない。  過大評価じゃなくて、本当にそのくらい綺麗だった。  思わず見惚れていると、彼も何も言わずに私をじっと見ていた。  闇のように黒い瞳で――  
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