2人が本棚に入れています
本棚に追加
ある時、モルス王は言った。
「初代と先代の功により、我がテラス王国は比類ない国力を持つに至った。そろそろ隣国に攻め入ってもよいころではないか?」
モルス王の発言により、衆議はざわめいた。
参加者である大臣や将軍たちは口々に意見を交わしあっていた。
「恐れながら、国王様!」
玉座の前に一歩進み出たのは、史官(国の歴史を記録する人)のライズだった。
「国王様のお言葉はご英断にございます。ですが、我が国にあっては、外の敵より内の敵でございます。今、国内において、好戦派と保守派が派閥争いを繰り返しております。国王様のお心が決まっておられるならば、まず内を固めるべきでありましょう。」
ライズは諸大臣を前に恭しく意見を述べた。
最初のコメントを投稿しよう!