大都市

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桜舞い散る季節……。 俺は片思いの幼なじみと狂い散る桜に魅了されながら高校へ向かっている………………っなんてね。 残念ながら俺はどっかにありそうな青春ラブストーリーの主人公になる気はないし、そんな素敵な幼なじみもいない。 でもこんなベタな恋愛をしてる奴が目の前に現れたら俺は少し羨ましいと思うかもしれないな。 俺の名前は石川 拓、ちなみに歳は18歳。 それで今の季節は蝉が狂い鳴き田舎では非常に寝苦しい夜を強制的に過ごしてしまうなんとも忌ま忌ましい季節だ。 俺は飛行機の窓から見える闇に染まった東京の空をぼーっと見ている。 まあ飛行機から見える景色なんて代わり映えが無く、見てると少し憂鬱になってしまいそうなんだが……。 東京に来たのはちょっとした事情があるからだ。
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