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相馬が着替えを終え一階に降りてリビングに入ると霞はフローリングの上に正座させられ霧香による説教を受けていた、ただ、いつものことなので相馬はそのままテーブルに着き、キッチンで調理している母にあいさつする
「おはよう、母さん」
「相馬、あんた、いっつも霞ちゃんと霧香ちゃんに起こしてもらわないで自分で起きなさいよ」
年の割りには若く見える母が朝食を運びがてら言ってくる小言を聞き流し、トーストに噛り付き、コーヒーで流し込む
その間に説教を終えた霧香と目を真っ赤に腫らしてぐずっている霞が空いている席に着く、母は二人にもコーヒーを出す、二人はそれを受け取り礼を言った
「ありがとうございます、オバサマ」
「おおきに」
カップを口に含む二人だったが霞は一口飲んで顔をしかめた
「にが~い」
その横では霧香が平然とした顔でカップに口を突けていた、それをみて霞が頬を膨らます
「なんで霧香ちゃん、コーヒー普通に飲めてるの?私のほうがお姉ちゃんなのに」
「お姉ちゃんって、うちら双子やから誕生日一日も変わっとらんがな、姉ぇが子供っぽすぎるんや」
「そうだぞ、いい加減コーヒー位ブラックで飲めるようになれよ霞」
「あーっ、相君までひど~い、オバサマぁ」
妹と幼なじみに同時にばっさり切り捨てられ相馬の母に泣き付きそうになったが
「ほら、姉ぇ、遅刻するで、はよ行こ、相、手伝ってんか」
「おう」
霞は二人に両脇を捕まれ引きずられていった、その様子は灰色の宇宙人が引きずられていくようだった
「「「行ってきます」」」
「はい、いってらっしゃい」
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