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屋上に着いた三人は開いてる場所を見つけそこで三角形を作る様に座る
「はい、相君のお弁当」
霞が青い包みの弁当箱を差し出してきたが、相馬は躊躇する
「…まさかとは思うが…霞が作ったんじゃないんだよな…」
そう言う相馬の顔は心なしか青ざめて見えた
「安心しぃ、作ったのはあたしや、姉やない」
霧香にそう言われ安心した相馬は改めて霞から弁当を受け取る
「ぶ~、霧香ちゃんも相君もひどい、私そんなに料理ベタじゃないもん」
「何いうてんねん、姉の場合、上手い下手以前の問題やないの」
「そんなことないもん!」
「じゃあ、霞、ブロッコリーとカリフラワーの違いはなんだ」
相馬の質問に霞はえっ?と首を捻る
「……白いほうがブロッコリーで、緑がカリフラワーだよ」
どう、と遣り遂げた顔の霞に相馬と霧香はぶっ、と吹き出し、腹を抱えて笑い転げた
「あははははは!霞、お前最高」
「きゃはははは、姉ぇ、笑わせんといてぇな」
霞はなぜ二人がいきなり笑い転げたのか理由がわからず首を捻った
ひとしきり笑ったところで相馬達は弁当に取り掛かった、弁当の蓋を開け相馬が歓声を洩らす
「おおっ、さすが霧香だな」
弁当の中身は見事な色彩だった、肉と野菜の色合いが見事にマッチし見るものをまず目で満足させる
相馬はおかずを箸で摘み咀嚼する
「うん、うまい」
「当たり前や、あたしが作ったんやで」
霧香は以外と家庭的な面がある、このように料理も得意だし、掃除に洗濯、裁縫までできる、要するに手際が良く器用なのだ、一方、霞はまったく正反対で家事の類は一切できない、ただ、頭は良く、成績は常に学年首位だ
おもしろいくらいに真逆な双子、それが皆木霞と霧香なのである
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