-雲の空-

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-雲の空-

懐かしい匂いがした 鼻先 掠めて消える 振り返るとも君はいない 遠い空の中で キラキラ包まれた朝顔 ちょこんと手のひら乗せた 微笑んだ顔いつかの君にダブらせ 笑って...無性に悔やんだ 見上げた空 僕を叱って もっと遠く高くそびえた 君が僕にねだったもの “この蒼より澄んだ優しさ” 君は霞んでしまっているのに ひどくあたたかい温度だ 美しいものばかり掻き集めるから 何時の間にか あふれそうになってる 後ろめたいことなんてない そう言い聞かせ 何度も何度も 違う人と抱き合いキスする 君が嫌う行為をする もしまたいつか 君と逢えたら どんな言葉 あげられるかな 我侭だけど 我侭だけど その指を包んでみたい ねえ、またいつか 君と逢えたら どんな言葉 あげられるかな 雲糸散らして 僕から君へ “この碧より深いI love you” ムラサキハナ 手に取り僕に 「寂しいよ、このままじゃ...」 振り返るとも 君はいない 遠い雲の中で
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