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彼が眠りから醒めたのは、自分の実家のある隣の駅のことだった。
そして、醒ましたのは震えている携帯電話。
家からの着信だった。
「…もしもし?」
「あぁ起きてた?」
「おかんか?今、土浦。もう着くよ」
「あんた大学は?」
「ハナ、ヤバいんっしょ?だから休んだに決まってんじゃん」
「そう…だけど、ハナね…
今、死んじゃった」
一瞬、ほんとに一瞬だけ、時間が止まった。
朝7時にもなると、人は少しだが、電車に乗っている。
しかし、電車の音も、人々の会話もなくなった。
「…嘘だろ?」
時間が動き出して初めての言葉はそれだった。
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