2/9
前へ
/15ページ
次へ
大学二年、まだ残暑も残り景色が青から赤に染まる季節。 彼は一人、電車の窓から外を眺めていた。 電車に乗って帰郷するのは、約二ヶ月ぶり…実に夏休みぶりの帰郷だった。 「次は、川越ー川越ー」 ふいに次の目的地を示すアナウンスが流れ、それに対しチッと舌打ちをする。 まだここかと思ってしまうくらい電車に乗っている気がするが、時間にして約十数分。 目的地はまだまだ遠い。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加