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彼が実家へ帰るキッカケになったのは、昨日の母からの電話だった。
そして、思い出す。
彼とハナが出会った日
当時、中学一年生の彼は、バレーボール部に所属していた。
その部活の帰りはいつも夕方。
疲れた体で足を引きずるように帰った。
「ただいま~」
彼はいつもの様に、玄関で靴を脱ごうとした時、彼の目の前をダダダダダッっと小さい何かが駆け抜けた。
「何だ!?」
彼は驚き、何かを目で追い掛けた。
何かは電気の点いていない部屋へ入り、見えなくなった。
彼は急いで靴を脱ぎ捨て、何かが入った部屋の中をよく見ると暗闇に浮かぶ二つの小さな光が見える。
不思議にそれを見ていると、
「おかえり」
彼の母が後ろから現れた。
「なんか、なんかいるよ!」
「ああ、お父さんが猫拾ってきたの」
母は嬉しそうに語り、彼は不思議そうに暗闇を眺めていた。
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