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高校二年、彼は学校で数学一点という点数を叩きだした。 答案用紙には無数のバツマーク、その中に一つだけの三角マークがあるという奇跡の点数。 学校では、 「わかる?0点なら誰でも取れるんだよ!うる覚えの知識に、当たってそうで当たってない回答、0点じゃ可哀相という先生の優しさ、配点が2点くらいの問題…とかいろいろ重ならないと取れないぜ!」 と、得意に話して笑いを誘ったが、家に帰れば当然怒られた。 彼がどんなにくだらない事をしても、世間では悪いと言われる事をしても、ハナの態度は変わらない。 それゆえ、彼はハナが大好きだった。
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