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やっと家に帰れた
病院の上げ膳下げ膳も捨てがたいけど、やっぱり家がいい
ベランダで夜空を見上げながら1人呟く
星は相変わらずあまり見えないけど、綺麗な満月
まるで手が届きそう
いつの間にか横には、主人と娘
「お母さん、ごめんね。お母さんの病気って私のせいで…」
「マミ、辛かったら辛いと言えよ」
「な~に言ってるの二人とも
ほら見て!綺麗な満月だよ」
私は二人の肩に手をかけた
キラキラ、キラキラ
反射する光
揺らめく水
あれは昔の事
今は、静かに輝いている満月
ここが私の場所
満月を一緒に見ている大事な家族
満月は静かに私達を見ている
静かに…
静かに…
完
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