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直人は最高の笑顔でニッコリ笑った。
『嘘ではございません。今から半蔵殿に買って戴きたいものを見せます。それが必要なければ黙って帰ります』
『黙って帰る?その時は叩き切ってやる』
直人はこの時代を選んだ事を少し後悔した。
しかし商品には自信があった。護身用にスタンガンも隠し持っていた。
『これでございます』
直人はトランシーバーを取り出した。
『この箱は何だ』
『例え十里離れても話ができる魔法の箱でごさいます』
『はっはっは。あほなことを申すうつけだのう。そんなことができるわけがない。貴様の命もここまでじゃ』
『はっはっは。試してみたくはないのですか』
直人は精一杯の虚勢を張った。手は汗ばみ、足が震えているのを必死で隠していた。
直人はトランシーバーのスイッチを入れ、忍びに渡した。そして少し離れて話し出した。
『耳に付けてくだされ』
『わたしは後藤直人と申します』
たしかに聞こえた。
忍びは驚き、部下を呼んだ。
『ピーーーピー』
見事な指笛だ。かなり遠くまで響いた。
ゾロゾロと二十人ほどの忍者が出てきた。
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