それはまるで風のように…ワルツのように。

最愛の人

弟と私はなかなか会えなかった。

弟は悪性リンパ腫…一種の癌で…

子どもの私は弟の病室に入るのは許されず、何時間も父親の見舞いが終わるのを待っていた。

その間は暇でずっと窓を眺めていた。

でも看護士さんがお話ししてくれたりしたから少しは寂しさも紛れた。

たまに母親も会いに来てくれた。ただ弟には会えない。たまに泊まる時にしか会話も許されない。

姉弟…なのにな…