君と出会った日

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最初にその声に反応したのは他の子犬達でした。   人懐っこい犬は、自分が呼ばれたとばかりに私の手に擦り寄ってきた。 それでも 「おいで、おいで?」 と声を出し続ける私に、自分ではないと気付いたのか その犬はフイと違う人の所に向かった。   やっと目があった。 タヌキ丸出しの犬と。      信じられない事に、茶色のふわふわの毛を揺らしながらその犬は近づいてきました。 私と目があうと、私の指をペロペロと舐めながらゲージに前足をかけた。  そろそろと抱き上げると、さらに信じられない事にしっぽをブンブンと振ってくれていた。   さっき逃げられたおじさんも、納得いかない表情でこちらを見ていた。 私は思った。   『絶対この子犬にする!!』 と。
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