夏休み

4/9
前へ
/205ページ
次へ
 体育館の中は、ただでさえ暑いのに人が多いからもっと暑い。  「校長先生ー話ながぁい。」  「もうすこし我慢しろ。てか、お前の場所ここじゃねぇし。」  「気にしない、気にしない。禿げちゃうそ、。」  「お前は後ろにいる人に、髪の毛むしられるぞ。」  「へっ?。」  真の後ろには仁王立ちのゴリ。  真の弱みはこれかもなー。  「上田はそんなにも俺に傍にいてほしいのか。では、ずっと隣にいてあげよう。」  「あら、嬉しいですわ、先生。」  真、青ざめてるし。  笑えてねぇ。  真は泣きそうになりながら、ゴリに正しいところまで戻された。もちろん隣にはゴリ。  やっと校長先生の話が終わったと思ったら、次は表彰式。  「何人いるんだよ。はやくしてくれ。暑い……。」  俺には関係ないから下を向いて、うちわ代わりに手で顏をあおいでいた。  「絵画コンクール特別賞。矢野唯。」  えっ!先輩?  俺は驚いて顏をあげた。
/205ページ

最初のコメントを投稿しよう!

519人が本棚に入れています
本棚に追加