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結果は四位。
県大会への出場は出来なくなった。
皆無言で片付けをし、帰りのバスの中でも誰一人、言葉を発する事はなかった。
学校に着き、体育館の中にボールや救急箱、スコアをしまい、監督の周りに集まった。
「話しは特にない。お疲れさん。」
……お疲れさん…。
監督がそんなことを言うなんて思ってなかった。もっと沢山の言葉を大声で言うんだと思ってた。でも、違った。“お疲れ様”のこの一言に全てを詰め込んであった。みんな、それが分かって泣いた。こらえようとしていたけど止めれた人はいなかった。
キャプテンが頭をさげ、泣きながら言った。
「あり……がとぅ…ござい…ました…。ありがとう…ございました…。」
続いて俺たちも言った。
「ありがとうございました!!。」
鼓膜が破れるんじゃないかってくらい、大きな声で。
今までの感謝の気持ちを表すかのように、体育館の外にまで聞こえるくらい、大きな声で――。
少しの間、その声が体育館に響いていた。
俺は聞こえた…。
俺たちの声が響いてる中、監督が小さいな声で言った。
「ありがとう……。」
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