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ここで6時限目終了のチャイムが鳴った。生徒逹は
背伸びなどをしながら、部活の用意をしている。それを見ながら俺逹の担任、国語の七沢先生が終礼を始めた。
「次回はまたこの小林多喜二の名言からやるからな。予習してこいよ。それから、今日は部活はなしだ。すぐに帰れよ。」
その言葉に全員がブーイングをとばした。もちろん俺もだ。俺逹にとって部活は、学校の楽しみの一つだからだ。先生はそれをさえぎるように大声を出した。
「今日休みの川崎は、部活帰りに通り魔に襲われたんだ。安全のために、今日は早く帰るように。分かったな。それから、朝川。」
俺は先生に呼ばれ、立った。
「何ですか?」
「お前、確か川崎と家が近かったな。すまないが、配布物を届けてくれないか。」
川崎は俺の親友の一人だ。俺は即座に答えた。
「いいですよ。」
俺は配布物を受け取り、リュックはしまった。
終礼後、俺はもう一人の親友の神代と一緒に、川崎の家に行った。訪ねると、川崎の母親がでてきた。
母親の話しによると川崎は、全治一週間のケガをした。そして通り魔について、警察にこんなことを言っていたらしい。
「『目の片方が黄色かった』って言ったらしいのよ。そしたら警察の反応が今まで違ったから、何かと思って聴いたら、『ここからは、非公式だ』っていわれたのよ。ひどいでしょ。」
俺逹は、川崎の家を出て事件のあった現場に行った。神崎は警察が捜査しているのを見て、不安そうな目をした。
神代と別れたあと、携帯に電話がはいる。俺はすぐにでた。
「もしもし、柏木さん。」
「ああ、慧人君。東区で起こっている・・・」
「わかっている。通り魔事件でしょ。寮に電話してからすぐ行きます。」
「了解した。いそいでくれ。」
携帯を切りながら、ある場所に向かった。
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