Act,01 少女

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  その喫茶店は、調べてみればいとも容易く出てきた。場所も近い。 行ってみよう。 僕は興味本意で喫茶店“T・P・S”の扉を開く。 この時点で 僕の人生は大きく変わっていたのだと、今更、思う。 ━─━─━─━─━ あっ!! お客さん! 初めまして、こちらへどうぞ? ━─━─━─━─━ いきなりカウンターの椅子を勧められた。隅がよかったのに。なんというか、強引。 ━─━─━─━─━ 君の名前は? ━─━─━─━─━ 取り合えず、自分の名前を呟いた。あまり好みではない、この名前を。 ━─━─━─━─━ へぇ、いい名前だっ! ━─━─━─━─━ 僕は好まない ━─━─━─━─━ 僕はね、しぃって言うんだ。間違えないで、僕は、猫だから! 呼び方は何でもいいよ。僕は、君のことを“お客さん”って呼ぶから。 これからよろしく! って……あ、もしかして興味本意で来ちゃった? 何があるかもしらずに? ……お客さん、その内変な人に捕まらないようにね……。 ━─━─━─━─━ なんか、失礼だな……。こっちはただの喫茶店としか思ってないし、家に帰りたくないから来ただけだ。たかが暇つぶし程度である。 ━─━─━─━─━ ここは、そこらの喫茶店とはちょっと違うんだ! 招待の仕方も変でしょ? 一杯の珈琲とあるお話のセットだけがメニュー。 そのためだけの招待券だよ、あれは。 僕は入れてない。 あの手紙はランダムにいろんな場所に入れていく。 これも何かの縁、話を聞いていかない? 長いけれどきっとはまると思うんだ。どう? ━─━─━─━─━ よく喋るな…… とりあえず頷いておこう。どうせ暇だから。 ━─━─━─━─━ よし、じゃぁ珈琲用意するね。 僕は今から話す物語の案内人。別に、これから先、面白くないと思うなら、途中で帰ってもいい。 ただ、これから、聞くお話を聞いて君に何か掴めたら ……それが、僕の役目だから。 ━─━─━─━─━ 置かれた珈琲に口をつける。 長い 長い 物語が始まった。 ━─━─━─━─━    
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