第三章『竜童組やっさん'Sストーリー』

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俺は、剛田安兵衛(ごうだ やすべぇ)。今時こんな古くさい名前のやつがおるかっつーの。 ところがどっこい、ここにちゃんと存在しとるし。 ガキの頃、喘息もちで、ひ弱だった俺は、病気で学校休みがちなくせに、武士みたいな強そうな名前が恥ずかしがった。 それで、中学に入ると剣道と空手を始めた。まさに武士。 不思議なことに、いつも真っ青で、弱っちぃかった、俺のうらなり顔は、精悍な顔立ちになった。 さすが日本武道。 体もみるみる成長し、中2で180センチと、学校で一番の大男になった。 ある日、上級生にからまれた。なんのことだか、俺にはさっぱり分からんかったけど、やっぱ俺がデカくてえらそうに見えたんじゃろ。 体はデカくても、心はひ弱なのになぁ~。 勝負は1分でついた。 先輩達8人みんなひっくりかえってた。 体が勝手に動いた。 恐るべし、極真空手。 その年、全中で空手チャンピオンになった。 上級生からも下級生からも「番長」と呼ばれたけど、俺は不良なんかじゃない。 学級委員もやれば、生徒会長もやる優等生。
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