顔面倉白

3/8
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
母親を説得できたらしく、女の子は急に猫なで声になって礼を言いながら、つれの友だちに向かって肩をすくめた。 「じゃ、一時間目の休み時間ね。遅れないでよ。休み時間、10分しかないんだから。あ、それとそれとそれと~」 せわしない口調で、女の子はつづけた。 「ケータイの中身、絶対見ないでよ。絶対だよ。だって、あんたすぐ見るじゃん、あたしのカバンの中とか。……ちがうねー。ママって、子供のケータイ、絶対見るタイプだねー。実際、見てるし~。……だから、もう言い訳はいいから、ほんと見ないで持ってきてよ。激ヤバ系の写真とかメールとか、いっぱい入ってるんだから。……ウソ、ウソ、ウソ。そんなのないけど~、メールの中身とか親にみられたらウザイからあ。んじゃ、よろしくねー。電車きたから、もう切るねー。バイバイ~」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!