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垂れている頭から流れる短い髪はサラサラしていて、白い肌の頬に影をつくっている。
シャツからでている腕は細っこくて、どうやら年下の男の子のようだ。
どっかの金持ちの家のガキか………?
僕はその時まだ13歳で、自分より立場が下の者を従えたいという服従心が芽生えていた。
つまり、自分より年下の彼を自分の子分にしてやろうと考えたのだ。
「おい!!何すっとか!!!」
自分が上の立場だと示してやりたくて、取り敢えずぶつかってきたことを怒鳴る。
ぶつかってきたというと語弊があるかもしれないが、彼は黙って自分の背後にいた訳で、自分がぶつかっても仕方ない場所にいた。
だから彼からぶつかってきたのと同じだろう。
いきなりの怒鳴り声に動かない彼を見て、びびっているのか?、と思った。
だが次の瞬間、彼は顔をあげてこっちを睨んできたのだ。
それに対する驚きで閉口してしまった僕に、彼も怒鳴ってきた。
「痛いでしょ!!何するの!!」
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