僕が生きた日

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川の流れる音が聞こえてきた。 涼しげな風を感じて、心も踊り地面を蹴る足も軽やかになる。 川沿いの、草やらが雑に生えた河原に彼らはいた。 シャツに薄汚れたズボンという同じような出で立ちで、みな同じように川を覗きこんでいた。 缶けりでもしているだろう、という幸太郎の予想は外れてしまった。 同じポーズのまま動かない彼らに、後から来た幸太郎は思わず笑ってしまった。 あいつら、何しよっとやか……… あまりにも熱心で、後ろから幸太郎が来てるのも気付かないもんだから、幸太郎も気になり始めた。 近付いて気付いたのだが、どうやら川を覗いているのではないみたいだ。 川の淵にある何かを、みんなで囲んで見ている。 犬でも捨てられとったとか………? 動物好きの幸太郎の胸が高鳴る。 家で犬を飼いたいとずっと思っていた。 一度、親戚の叔母さんから大型犬を譲り受けたことがあるのだが、幸太郎が学校に行っている間に紐を食いちぎって逃げてしまっていた。 それ以来家でペットを飼ったことはない。 もし犬やったら俺が飼いたいなあ…… そう思って彼らの輪に近付くと、ようやく1人の男の子が幸太郎に気付いた。 「あ!!幸ちゃんやん!!」 少し気の弱い圭太(けいた)が嬉しそうに叫んだ。 だが、他の2人に睨まれて慌てて口を塞ぐ。 圭太を黙らせた後、2人は幸太郎を見た。  
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