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「ほれ、結希。鏡哉が朝食を作って置いてくれたんじゃ。さっさと食べて稽古場へ向え。わしは先に行っておる」
「うん」
僕は一言、返事のみをして朝食を食べることにした。じっちゃんはそそくさと稽古場に行ったみたいだ。
キョウ兄が作る食事は美味しい。意外と家庭的な面を持っている。それもそうだ、僕たちの両親は旅に出ている。じっちゃんが四代目の真月流剣術を広めるために。
だからキョウ兄は料理を覚えていった。もう七年くらい前から…。
両親はたまに顔を見せに帰ってくるけど、翌日にはもう居なかったりする。
「ごちそうさま」
食器を片付け、とりあえず洗っておく。他の食器はもう洗われてるから。
その後は洗面所に行く。鏡を見ると、やっぱり女の子。
「何がどうしてこんなことになったんだろう?」
やっぱりその疑問は残る。悩んでも仕方ない、夢ではないのだから。そう心に決め、歯磨きをして、顔を洗って、髪形をとりあえず整えて、そこから稽古場へ向かう。
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