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じっちゃんが襖を開けた。
僕はしどろもどろな様子で、じっちゃんに言った。
「だだだだだって、朝起きたら、その…僕が女の子に―」
「なにを言っておるんじゃ結希。お前は前から女じゃろう?」
驚きもせず、じっちゃんは言った。僕が前から女の子だと。
しかも、確かに僕の名前は「ゆうき」だ。
けど、じっちゃんが言ったのは「結希」。僕は「裕樹」。
字が違う。それだけじゃない。発音も違う。
字が違うかがわかるのはどうでもいい。現状がおかしい方が重大だ。
「まったく…四月から星園に通うというのにお前は朝から騒ぎおって」
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