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準備室
「なぁ。お前って、いつもあんな断り方してんの?」
前を見ながら歩く先生は、途中に出会う生徒たちと挨拶を交わしながら、私に話しかけてきた。
「別に…その時、思ったこと口にするだけ。」
そっけなく、そう答える私を少し見て、
「そっか…」
と、先生は微笑んだ。
そんな先生の顔が、カッコイイな。と少し思った。
まぁ、実際モテモテな先生のワケなんだけど。
校舎を出て、準備室に向かう途中、先生が慌ててポケットを探りだした。
「うわっ。忘れた。カギ、カギ、部屋の鍵。」
慌てている先生が、妙に可愛くみえた。
「戻るのも面倒だな…」
と、げんなりしたようにつぶやいた後、
「今井。悪いけど、先に準備室行っといて。」
って先生が言うから、私は一人で先に向かった。
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