愛妻

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ている。  トシユキは、皆にチハルの存在を知らせようかと思ったが、止めることにした。チハルの気持ちを考えると、トシユキだけに気付いて貰えればそれで良いと、そう思うに違いないからだ。遠くなるチハルの表情からは、幸福という言葉しか伝わってこなかった。  元気だった頃のチハルが、時空を越えて今病院の庭に居る。  最高の退院祝いであった。
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