眼鏡王子とストーカー少女

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  ──と。 ドアを閉める前に柳は、頬に手を当てたまま真っ赤になっているみほに、      ・・・・ 「じゃあ、結野さん。頼んだ仕事やっておいてね。また後で」 と、涼しい顔で告げ、生徒会室を後にした。 「やっ、柳先輩が、キス……」 ほっぺにだけど。 みほは、動悸息切れをひどくしながら、回らない口でようやく言った。 ──神様、前言撤回します。 柳 仁志様という方は、クールでも冷静でもなく。 実は、明るくて、話しやすくて、よく笑う人で、まるでお兄ちゃんみたいで…… そして── 「変態だぁ──ッ!!」 「ぶはっ!」 「や、柳?」 みほの渾身の叫びに、廊下を歩く柳は、思わずずっこけた。  .fin  
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