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そんな慎矢の事情など知らぬ来訪者が遂に咲菜たちの前に姿を現した。
それは一見すればサムライの様な格好で、深緑の着物に赤い羽織りを着た浪人風のサムライ。
その腰にはサムライの象徴である刀が差してあった。
そんなサムライの顔を特活のメンバーはマジマジと見ていた。
長い茶髪を後ろで束ねて、チョンマゲらしきモノを作っていた。
その眼光は鋭く獲物を探す様であった。
「つ、強い・・・・・」
環は、ポツリと弱音を漏らした。
同じ刀を武器としている者同士、見ただけで相手の力量を把握できるのだろう。
それ以前に彼の纏っているオーラは異質だった。
その証拠に真紀や咲菜の表情が今までに見せた事がない位に険しい。
「・・・・・マズイ」
咲菜は想像以上に強い敵が現れた事に若干焦っていた。
サムライは、鋭い視線で咲菜達の顔を何度も見渡していた。
しばらく咲菜達を見ていたサムライは、不意に口を開いた。
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