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「・・・・・よく見えない」
完全に肩すかしをくらった。
全員が臨戦態勢だったが一瞬で闘志を削がれた。
サムライは懐から眼鏡を取り出し、それを掛けると、今一度、咲菜達の顔を見渡した。
一通り見るとサムライは一つため息を吐いた。
「強い魔力を感じたので来てみたのですがハズレでしたね」
その一言に咲菜達の闘志は、一瞬で元に戻った。
“ハズレ”
すなわち、ここに強者はいないと言われているのだ。
「私達が弱いと?」
怒りを込めた一言を咲菜はサムライに言った。
サムライはキョトンとしていた。
「自分は一言もそんな事は・・・・・」
少し前を振り返ってみる。
『強い魔力を感じたので来てみたのですがハズレでしたね』
その様に解釈できる事を言っていた。
それを理解したサムライは突如として焦りだした。
「す、す、すいません。別にあなた方を弱いと言ったわけではありません」
ペコペコと頭を何度も下げながらサムライは謝りだした。
咲菜達は何が何だか分からなくなってきた。
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