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先に仕掛けたのは環だった。
瞬時に重玄との間合いを詰め、一気に斬り上げた。
重玄は、その一撃をいとも容易くかわす。
攻撃をかわされた環は、重玄に無防備な体をさらけ出す。
露わになった隙を確認した重玄は抜刀術の構えをとった。
「貰いました!!」
重玄が刀を抜こうとした瞬間、環は重玄に思いっきり体当たりした。
その体当たりを受けた重玄は体勢を崩してしまった。
ここぞとばかりに環は、連続斬撃を繰り出していく。
「てゃぁぁぁぁぁぁー!!」
上下の攻撃を巧みに混ぜ合わせて攻めていく。
だが、その攻撃すら重玄は簡単にかわしていく。
そんな2人の戦いを観戦していた真紀は虚ろな目をしていた。
「・・・・・腹減った」
空腹で元気がない様子。
真紀の呟きを耳にした咲菜が近寄ってきた。
「何かようかい?」
「重玄さん、全然力を出してないように見えるんですが・・・・・」
咲菜は、環の戦いを見た素直な感想を述べた。
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