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「そんな奴が人間界へ?」
「やっぱり、松原派の連中がやってる儀式で召還されたんでしょうね」
咲菜は事態の深刻さを見誤っていた。
重玄に会うまで何とかなるかも知れないと思っていた。
しかし、現実は環が手も足も出ない状況だ。
ふと、咲菜の頭をとある考えがよぎった。
「他にもヤバい奴が呼ばれてる可能性はありますか?」
「あるだろうな」
「そうですか・・・・・」
事態が悪い方へ悪い方へと進んでいく。
クッと下唇を噛み、咲菜は空を睨みつけた。
「ほら、しっかりとマッキーの雄志を見てやんな!!」
そう言いながら、咲菜の頭を押し下げた。
視線がちょうど環と重玄の見える位置にきた。
「ほら、見えるか?仲間ならちゃんと見るべきだ」
「・・・・・」
「先の事を考えるのもいいけど、仲間が戦ってるならしっかりそれを見届けてやんな」
真紀はそう言いながら目が潤んでいた。
話している内に何かを思い出した様だ。
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