壱‐はじまり

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由里が死んだ。 そう聞かされたのは今朝になってからだった。 ― 昨日の昼、電話で話したばかりなのに… 由里とは中学時代からの付き合いで、わりと親しかった方だ(最も向こうはどう思ってるか知らないが)。 そのせいもあり、彼女の死は中々実感が湧かなかった。 翌日の葬式には行った。 由里は自ら命を絶った。 マンションの部屋のベランダから転落。 20階から落ちたのだから、きっと即死だったのだろう。 棺に横たわる由里は、生前と何ら変わりなく、寧ろ微笑んでいるかの様に見えた。 青白い頬を優しく撫でると、温もりは全く感じることができなかった。 もう由里は死んだんだ。 やっと実感した。
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