今日は晴れ

6/10
前へ
/120ページ
次へ
バイトが終わり俺は家に帰ろうとした 途中の公園に人影が見える 「…?」 目を細めて覗くとブランコにパシリが座ってた えらい凹んでいるようで見てられない 「パシリは大変だな」 俺の声に気付いたパシリは俺の方を向いた 「…さっきの店員?」 「パシリなんて止めなよ、めんどくさいだろうし」 「やめられません…」 またパシリは下を向く 「不良が怖いのか?なぁに、思い切って顔面をぶんなぐりゃ…『そうじゃなくて!』」 『そうじゃなくて…好きなんです…』 「好きってパシッてる奴のこと?ってことは女にパシられてんのか!」 情けない奴だな、俺は少し残念な気持ちになった 『男ですよ。好きですっていったら言うこと聞いたら付き合ってやるって言われて…』 ん?俺は一瞬混乱したがすぐに意味が分かった 「おまえホモか!?」 『そういうの、偏見で嫌です』 パシリは冷たく言った 「あっごめんなさい」 俺も戸惑って謝ってしまった 『それに私は女です』 「はっ?男物の制服じゃん」 『性同一性障害って知ってます?』 「…」 『知らないんですね』 「ばっばかやろ、そんぐらい知ってるわ」 『…はぁ、いいですよ』 パシリはブランコから降りて公園から出ていった 「…なんだよ」 俺もバカらしくなり、家への道に戻った
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加