触れ合う

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髪を乾かしてリビングに行くと、橋本久志は電気を消してあたしのベッドで寝ていた。 ちょっとほっとした。一緒に寝なくてすんだことに。 でもまだいてくれたことが嬉しかった。 あたしは橋本久志を起こさないように床に布団を敷いた。 それがちょっと残念だったのも否定できない。一緒に寝たいのか寝たくないのかわからなかった。 橋本久志の寝顔はちょっと可愛くて、いつもはワックスで固めてる髪もぺたんとしてて、幼く見えた。でもとっても頼りがいがあってかっこいい橋本久志。 「前田?こっち来ないの?」 「橋本くん、起きてたの?」 「早く」 豆電球の灯りが橋本久志の表情を教えてくれる。全然眠たそうではなくて、むしろ楽しんでいるような。あたしを試しているのかもしれない。
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