70人が本棚に入れています
本棚に追加
腕枕をしてもらった。もう一度シャワーを浴びたかったけど、橋本久志との時間を大切にしたい。
もう雷は鳴っていないようだ。
あたしは橋本久志のわき腹を触って笑う彼を見て楽しんだ。
「前田、俺のこと好きだろ?」
「うん」
「俺も好きだよ。でもお前、俺を嫌ってただろ?」
「ずっと好きだったけど、やっぱ付き合う前にこういうことしちゃダメだよ」
「いいじゃん?結局付き合うんだから」
「うん」
「明日美」
「うん?」
「好きだよ」
「あたしも好き、久志」
あたしが橋本久志のわき腹を触るのを辞めると、優しく髪を撫でてくれた。気持ちよくて瞼が降りる。今日がちょっと疲れたからかもしれない。
「明日美?あんまり時間ないよ?寝るならシャワー浴びる時間なくなるけど」
「うーん」
「キスする?」
「ん」
一気に眠気が覚める。返事をする前に唇を塞がれた。
橋本久志と身体を重ねることがあまりにも自然で心地よい。
あたしが思ってるもっと前からあたしは彼が好きだったのかもしれない。
今日何回も腕を乱暴に掴まれたのが嘘みたいに、橋本久志は優しくあたしに触れてくれる。空き巣に入られた夜もそうだった。
最初のコメントを投稿しよう!