プロローグ

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今時、呪いなんて小学生でも信じないだろう。いい歳をして情けない・・ こんな話、恥ずかしくて誰にも言えない。 美沙紀は、この話を教えてくれた友人にも元町を訪れた事は黙っておこうと決めた。 しかし、この冷静さも長くは続かなかった。最近の美沙紀は1日の間でも、精神状態が大きく変化した。彼を失ったショックと悲しみで極度の躁鬱状態にあるのは間違いなかった。しかも、それを冷静に自覚出来るのは、時折思い出した様に訪れるごくわずかなリラックスした状態の時のみだった。 中途半端に自分の精神状態を自覚出来る事程辛い事はなかった。
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