プロローグ

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美沙紀は、次第に歩くテンポを速めながら、ペットショップの角を曲がると、急な上り坂を住宅街の方に上っていった。 賑やかだった商店街とは対照的に、人影もまばらな道がまっすぐに伸びている。 この先に、美沙紀の目指す目的地はあった。噂が本当なら、それは6階建ての黒いマンションの筈だ。 横浜に住む大学時代の友人から初めてその話を聞いた時には、正直子供騙しにしか思えなかった。最近流行の都市伝説の方が、まだリアルに感じられる位だった。 だが、試しにネットで検索をしてみた美沙紀は、そこに驚く程の書き込みを発見した。
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