愛される命

31/34
14473人が本棚に入れています
本棚に追加
/516ページ
悩み抜いた揚げ句、圭に打ち明けることにした。 夜も更け、ベランダで煙草を吸う圭に部屋をでて、寄り添った。 『どうしたん?あっちいってな。煙りよくないから。』 『圭ちゃん話しがあるんだけど。』 『ん?』 圭はそう言うと煙草の火を消した。 『寒いから中入ろ。』 『大丈夫。夜空みたいの!星がちょーキレイだよっ!』 『なんだそれ。(笑)じゃぁ着ろ。』 圭は部屋から厚手のカーデを持ってきて、私にかけてくれた。 『ありがとう。』 『ちょっとだけな。』 二人で寄り添い、夜空を見上げていた。 圭に優しくされると胸が苦しくなる。 圭を失いたくない。 絶対。 何があっても離れたくない。 右半身に圭の温もりを感じ、圭の横顔を見つめながらそう思っていた。
/516ページ

最初のコメントを投稿しよう!