3人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
「頑張ったな❗」
親の口からは期待通りの言葉が返ってきた。
「でさぁ、ちょっと上の涼楠高行きたいんだけど…」と僕は少しためらいがちに切り出した。
商業科を目指したのは、大学まで行くつもりは全くなかったからでもあった。
が、涼高は普通科、当然、大学進学を考えなきゃならないだろう。
うちにとっては、そんな学費はなく、単に成績云々の問題じゃなかった。
「あんた、大学を目指すのね?」
母親は少し驚いた感じで言った。
「分からない。けど、とりあえず勉強してみたいんだ。」
「分からないって、それじゃ、あんた済まされないよ❗」
「公務員を目指してみようと思ってる。」
「本当に大丈夫なのね?」…そういったやり取りが続いた結果、僕は半ば無理矢理に涼楠高校を目指すこととなった。
12月のクリスマスを控えた半ごろの事だった。
最初のコメントを投稿しよう!