65人が本棚に入れています
本棚に追加
しばしの沈黙と不安を消化させようとする伊吹賢。
そこへダメ押しの坂本香織。
「あっゴメンなさい!電話だわ!!申し訳ないけど電話に出ても宜しいかしら?」
「どうぞ」
伊吹賢はぼそっと言う。
坂本香織はテーブルから離れる事なく、その場で電話に出た。
それを見てた岡部は、いくら学生の前だからといってマナー悪いな!席外して話せよと思う。
「あぁ~大野君!どうしたの?うん!うん!
わかった参加するのね、大丈夫よまだ枠は残ってるから!
でもギリギリよ二枠しか残ってなかったんだから。
はい、かしこまりました。じゃあ課題を済ませておいてね。はい、失礼しまぁ~す」
何この三文芝居、大阪の新喜劇でもしないよと思う岡部。
「岡部君、午前中に面接した大野君が参加するようだからリストに載せておいて」
今時こんなやり方で引っ掛かる奴なんていないよと思いながらも、仕方なくメモをとるふりをする岡部。
「伊吹君はどうする?決まったかな?私達もう帰って企画書あげなきゃいけないんだけど」
肩を回しながら話す坂本香織は、いつの間にか優位な立場から発言になっていた。
「やっやりますっ!」
伊吹賢が釣られた。
最初のコメントを投稿しよう!