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肉の切れる音がしたが明日香に痛みはなかった。
明日香は確かめるため、恐る恐る目を開けた。
明日香「光夜!!」
目を開けて見えたのは、明日香を庇い腹を貫かれている光夜だった。
礼和「こんな女がそんなに大事?まぁ手間が省けてよかったけど」
礼和がトンファを引き抜き光夜はゆっくりと倒れた。
明日香「光夜!!しっかりして!!」
明日香は光夜に近づき上半身を持ち上げる。
明日香の目からは涙が流れていた。
光夜「明日香……逃げ…ろ」
光夜は声を振り絞る。
明日香「いや!!光夜を見捨てて逃げるわけにはいかない」
光夜「たの…む……もう大切………な人…を失いたく…は……ない」
明日香「光夜だって私にとっては大切な人だよ!!置いてけいけるわけないじゃん!!」
光夜が意識を保つのも限界だった。
貫かれた腹からはとめどなく血が溢れ出し、目は霞み、意識が離れていく。
礼和「だったら2人纏めて殺してやる。散々侮辱してくれたからな」
光夜は薄れる意識のなか確かに見えた。
近づき、トンファを振り上げる礼和の姿が。
そして光夜の意識は途切れた。
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